◆スコッツマンを読む会 活動報告 2018年
2018年12月1日(土) 15:00〜 参加者6名
1)2018年9月13日付
Jo Swinson becomes first MP to bring a baby to a Commons debate
「ジョー・スウィンソンさんは下院討議に赤ちゃんを連れてきた最初の国会議員になった」(前半)
英国国会の有名な緑のベンチ(※1)で赤ちゃんを抱いている自由民主党の副代表のジョー・スウィンソンさん。

スインソンさんは、ガブリエルと一緒に代理投票ついて討議する最終演説を聞くために討議室にあらわれた。代理投票とは、母親や父親になり育児休暇を取っている国会議員が不在の際に投票するため同僚議員の一人を指名することを許すということである。
今年の夏ガブリエルを出産したジョー・スウィンソンは、代理投票の議論が「あまりにも少なすぎ、遅すぎる」と警告し「この下院は、小さな赤ちゃんのいる議員が代理人によって投票が可能であるべきであることを7ヶ月前に初めて決議しました。その後、ガブリエル、エリヤとソロモンが生まれ、さらに2人の下院の赤ちゃんが出産予定です。妊娠中の議員と新しいお母さん議員の5人とも野党側の議席にいるので政府はこの問題をうやむやにしようとしていると皮肉屋は結論づけるかもしれない。」と語った。
続けてEU離脱の主要な法律制定の際に保守党幹事長ブランドン・ルイスとの彼女の不成功におわったペアリング(※2)(棄権投票申し合わせ)について言及した。それから彼女は失敗したペアリング案件を「恥ずかしい行為」として表現した。さらに付け加えて「妊娠、病気、その他の理由にしろ、意図的にペアリングを解除することは褒められることではありません。単純明白な詐欺です。

もっとも長く議員を務めている女性議員として「下院の母」(※4)の称号をもつ労働党のハリエット・ハーマン(Harriet Harman)は、スウィンソンさんの隣に座ってガブリエルの頭を撫でた。一方ジョン・バーコー議長は母子が議場をさるときに二人に声をかけた。国会議員が投票の際に議場に子供をつれているのはしばしばに見られたが、実際に討議をしているときにでは見られたことはなかった。
※1
英国議会では上院のベンチは赤、下院のベンチは緑の皮がはってある。
※2【Pairing】
毎日の議事録の中で様々な採決の結果を見ることができますが、大抵の場合、下院の全議員650人が出席しているわけではありません。そうかといって、それが「棄権」として造反の扱いをされるわけでもありません。その秘密はこのpairingという仕組にあります。これは、与党議員と野党議員がそれぞれペアを組んで、採決の欠席をそれぞれの政党の院内総務whip、政党の投票をとりまとめる役職、の了承を得る仕組みです。これにより、与党にとっても野党にとっても、欠席議員の採決への影響がなくなるため、何らかの都合で出席が難しい場合にはこの仕組みを用います。ただし、これもどんな法案にも用いることができるわけではなく、上記のthree-line whipの採決には用いることはできません。
※3
2018年7月17日、産休をとっているジョー・スウィンソンの投票不参加と引き換えに、ブランドン・ルイスが投票に参加しない約束(Paring)をしていたが、実際にはEU関連の重要法案修正案2件に反対票を投じていたことが判明した。
※4
Father of the House「下院の父」は非公式の称号で伝統的に下院の最年長の議員あるいは続けて継続的に最も長く議席のあった議員に与えらる。「下院の母」は近年使用される称号で「下院の父」に相当する女性議員に用いられる。
2018年11月3日(土) 15:00〜
「ドナルド・トランプのスコットランド旅行詐欺疑惑の問題解明の請求」

米国の指導的な民主党政治家たちが最近のスコッツマンの報道を引用して、ドナルド・トランプのターンベリーリゾートへの米国政府の支払の一部が詐欺か職権乱用を構成するかどうかの調査報告を求めている。
この主要な政治家には、マサチュセッッツ選出の上院議員で、2020年の大統領選の民主党候補者として広くうわさされているエリザベス・ウォーレン、米国議会で最も強力な調査委員会の一つである下院監視委員会の民主党有力者であるエリヤ・カミングス、デラウエア州選出の民主党上院議員トム・カーパーとがいる。彼らは最近のスコッツマンの報道を引用して、国務省と国土安全保障省に広範囲の調査と会計監査を始めるように要求し、トランプのSLC株式会社が利益を上げているとしたらいくらなのかなどる詳細な情報を求めている。
SLC株式会社はトランプのスコットランドにおける最大のビジネス拠点である。スコッツマン及び「スコッツマン」の日曜版である「スコットランド・オン・サンデイ」はトランプは公に顔を見せずに、ターベリーで2ランウンドのゴルフをしたこと8月3日、議会は別のVIP の訪問のためのホテルの部屋代として7,917ポンドのさらなる支払を認めたことを明らかにしている。問題になっているそのVIPは誰であったのか明らかになっていないが、エリック・トランプ(大統領の次男)が8月の第1週にターベリーを訪ねていた。いままでのところ報道はアメリカの納税者にホテルの部屋代、電話代、レンタカー代金と、あるVIPの訪問代金として68,000ドル以上もの費用を費やさせたと指摘している。 トランプはこの前の1月SLCターンベリー社の社長は退いたが、会社はニューヨーク州グランター信託(譲渡人信託)を経由して完全に彼が所有したままである。
【エリザベス・ウォーレン】
生年月日:1949年6月22日
出生地:オクラホマ州オクラホマシティ
現職:マサチューセッシ州代表上院議員
所属政党:民主党
【エリヤ・カミングス】
生年月日:1951年1月18日
出生地:ボルチモア
現職:メリーゴーランド州第7議会地区の米国代表
所属政党:民主党の一員
【トム・カーパー】
生年月日:1947年1月23日
出生地:ウエストバージニア州ベックリー
現職:デラウェア州上級米国上院議員
所属政党:民主党
【SLC Turnberry Limited】
トランプのターンベリーリゾートとして事業を行っている。
またスコットランドにゴルフリゾートを運営している。1906に設立され、スコットランドのターンベリーに拠点を置いている。
2018年10月7日(土) 14:00〜 参加者9名
1)2018年7月25日付
The escalating conflict between the seagulls and Scottish football
「カモメとスコットランドのサッカーとの間のエスカレートする競り合い」(後半)

*カモメたちの逆襲が始まりました。既出に誤りがありましたので、訂正のあるところを再掲載いたします。

不幸なことにファンは反乱をやめようとはしなかった。その代わりに、その歌はマスコットのサイ・ザ・シーガルに向けられた。カモメたちは人間が、陽気に歩き回り、子どもたちを楽しませているカモメ人間を見守りながら、和解はあり得ないとわかっていた。人間がカモメと人間のハイブリッドを受け入れることができないなら、カモメには生き残りのチャンスがあっただろうか。
ブースはカモメに一撃を加える。
2014年7月15日、カモメへの最初の攻撃がなされた。
ヒブズ(※1)のカラム・ブースは緊張のあまり激しくボールを蹴った。自陣の18ヤード・ボックスに立って、イースト・エンド・パーク(※2)のピッチの全方向にねらってよいものを空に向かって1発蹴り放ち、ボールはたまたまスタジアムを過ぎてフォース湾のほうへ飛んでいた鳥にあたった。その鳥は態勢をたてなおし急いで安全な場所へ逃げた。しかし、不当な攻撃について、一部始終仲間に話しているだろう。
※1【ヒブズ】
Hibs。Hibernian Football Clubのニックネーム。LeithのEaster Road Stadiumがホームグランド。1875年8月設立。
※2【イースト・エンド・パーク】
East End Park。Park Dunfermline Athleticのホームグランド。1885年開場。収容人数11,480人。
カモメたちはやり返す(いくらか)
2014年の夏、カモメたちが反撃をした際、なじみのない文化を経験する軍隊のように、カモメたちはサッカーファン(悪いやつ)とサッカーファン以外の人(いいやつ)とを区別することが出来なかった。エディンバラの通りの人々は、鳥から無差別の「テロ攻撃を受けた」ように感じたのだった。
アバディーンはタカを雇う
疲れ果てたドンズは助っ人としてタカを雇い、グラウンドをパトロールしてカモメを近づけさせないようにした。地元にすむカモメたちは怒っていた。ピトドリー周辺は多年にわたってカモメたちの住みかであった。今や鳥たちは直接的ではないにしても、脅かされていた。
パリーはゴールキックでカモメを痛めつける
アロア(※)のキーパー、ニール・パリーはゴールキックのボールをけってカモメに当てた。
カモメの忍耐の限度は超えた。少なくともブースのシュートはパニックの結果だった。パリ―のキックはわざとだった。この出来事の後、平安の望みは絶たれた、おそらく永遠に。信じがたいことだが、そのカモメは死ななかった。何よりも怒っていた。 [2016年12月の出来事]
※【アロア】
Alloa Athletic Football Club。1878年設立。AlloaはStirlingの東8.9kmにある町、フォース川とフォース湾の境目あたりの北岸。
イアン・マッコールはカモメを死ぬほど退屈させる
多くのカモメが、エア・ユナイテッド(※)の監督、イアン・マッコールがクラブのメディアにこれからのシーズンについて話していた。、カモメたちは、空中戦は知っていた。化学戦や陸上戦にも慣れていた。しかし「連中はよくやっている」とか「もう1、2名増員しようと思っている」という死にそうに退屈な長話は、備えのできていない新しいタイプの戦闘だった。うんざりして受け入れられなかった一羽はそこでそのとき息絶え、サマーセット・パークのピッチにまっすぐに落ちた。
※【エア・ユナイテッド】 Ayr United、Ayr United Football Club。ニックネームはThe Honest Men。Somerset Park(1888年開場、収容人数10,185人)がホームグランド。1910年設立。
スコットはくそくらう
カモメは行彼ら独自の武器を持っている。今月初めのキルマーノック(※1)とセント・ミレン(※2)とのベットフレッド(※3)開幕戦の終わりに、それを行使した。スティーヴ・クラークがサイドラインでチック・ヤングと立ち話をしていた時、歩兵たちは突撃してふたりの方に有毒混合物を投下した。でも、目標にあたらず、キリーのコミュニケーションズ・マネージャー、スコット・マクリモントにあたった。
※1【キルマーノック】
Kilmarnock:Kilmarnock Football Club。ニックネームはKillie。KilmarnockのRugby Parkがホームグランド。1869年1月設立。 ※2【セント・ミレン】
St Mirren:St Mirren Football Club。ニックネームはThe Saints。PaisleyのSt Mirren Parkがホームグランド。1877年設立。 ※3【ベットフレッド】
Betfred Cup:Scottish League Cupのこと。スポンサーがブックメーカーのBetfredなのでこう呼ばれる。
カモメたちは警告を送る
ベットフレッドカップをかけて、クイーンズ・パークとセント・ミレンが戦うとき、ハンプデン・パークではかなり退屈なサッカーの90分に近づいている。その時、警告なしに、1羽のカモメがグラウンドに飛んできて、ペナルティボックスに死骸を落とす。ハトだった。その鳥は首がなかった。そのメッセージは明快だった。

次はお前たちだ。
2018年9月1日(土) 14:00〜 参加者8名
1)2018年7月25日付
The escalating conflict between the seagulls and Scottish football
「カモメとスコットランドのサッカーとの間のエスカレートする競り合い」(前半)

グラスゴーのサッカースタジアム、ハンプデンである事件がありました。スコットランドのサッカーとピッチを巡回する「白い掃除や」−カモメとの間で続く競り合いについての面白い記事です。
現実を見てみよう。カモメたちが世界を乗っ取りたいと仮に思うなら、できないことはない。
カモメは鳥類界の暴走族である。ハトはトラブルの兆しを見るとすぐに飛び去るが、カモメは一羽でも下がるのは差し迫った危険の目に見えない線までで、それ以上1センチたりとも下がることはないだろう。その間ずっと、あの怒りに満ちた冷たい目で、これまでずっと恐ろしい残虐行為をしてきた生物にしかないあの目で、相手が目をそらすまで見つめる。食べ物がからむと、カモメは恐れることなく人間を襲う。明らかに大きさの点で有利であっても、カモメが急降下してくると、われわれはびっくりしたハツカネズミのようにあわてて逃げ去る。
サッカーファンとカモメたちは多年にわたっお互い仲良く過ごした。われわれは捨てられたパイの食べ残しをやり、カモメは適度の距離を保った。今やその協定は破られたように思える。
「ピザを返してほしければ、取りに来い」
たいていの闘いは政治家の願望であるが、庶民によって始められるものもある。2005年―2009年の間ピトドリー支持者たちは(負けが続いてる)選手に叫ぶのに飽きて、代わりにスタジアムを歩き回り、ピッチの隅に集まっている鳥に怒りを向けた。「カモメ、カモメ、こん畜生め」と彼らは連呼した。『猿の惑星』風にカモメが世界を乗っとった後わずかな生き残りが地下に隠れて、こうなったのはドンズ(※)のせいだということななるとはほとんど頭になかった。
※【ドンズ】
Dons。Aberdeen Football Clubのニックネーム。1903年4月設立。ホームグランドはPittodrie Stadium。
カモメとピトドリー・スタジアム(※):死ぬことを拒む関係
※【ピトドリー・スタジアム】
Pittodrie Stadium。Aberdeen Football Clubのホームグランド。1899年9月開場。収容人数:20,866人。
アバディーンはカモメのマスコットを導入する。
Si the Seagull did NOT improve relations in the north east. Picture: SNS
サイ・ザ・シーガルは北東部で関係を改善しなかった
不幸なことにファンは反乱をやめようとはしなかった。その代わりに、その歌はマスコットのサイ・ザ・シーガルに向けられた。カモメたちは人間が、陽気に歩き回り、子どもたちを楽しませているカモメ人間を見守りながら、和解はあり得ないとわかっていた。人間がカモメと人間のハイブリッドを受け入れることができないなら、人間には生き残りのチャンスがあっただろうか。
ブースはカモメに一撃を加える。
2014年7月15日、カモメへの最初の攻撃が放たれた。 ヒブズ(※1)のカラム・ブースは緊張のあまり自陣の18ヤード・ボックスに立って、イースト・エンド・パーク※2のピッチの全方向にねらってよいものを空に向かって1発蹴り放ち、ボールはたまたまスタジアムを過ぎてフォース湾のほうへ飛んでいた鳥にあたった。その鳥は態勢をたてなおし急いで安全な場所へ逃げた。しかし、不当な攻撃について、一部始終仲間に話しているだろう。
※1【ヒブズ】
「Hibs」Hibernian Football Clubのニックネーム。LeithのEaster Road Stadiumがホームグランド。1875年8月設立。
※2【イースト・エンド・パーク】
「East End Park」Park Dunfermline Athleticのホームグランド。1885年開場。収容人数11,480人。

*来月はいよいよカモメの反撃がはじまります。お楽しみに。
2018年8月4日(土) 14:00〜
1)2018年6月16日付
Glasgow School of Art fire:‘It’s hard to find words…it was nearly reopened’
「グラスゴー美術学校の火事:『言葉を見つけることが難しい...ほとんど再開されることになっていたのに』」

4年で2度目の火災が「大規模な」被害をもたらしたので、グラスゴー美術大学の象徴的なマッキントッシュ館の未来は、不確実である。
約50人の消防士が、金曜日の夜遅くに始まり、数百万ポンドの修復作業を破壊し、さらに近くの音楽会場に大きな損傷を与えた火災を消すために戦った。
スコットランド警察航空隊により配布された、グラスゴーの歴史的マッキントッシュ館と周辺での火災によって引き起こされた被害の写真。
ニコラ・スタージョン首相は、昨日、現場を訪れて、火事は「胸を痛めるものです。美術大学に関係するすべての方にお見舞い申し上げます。」と語った。また、人命の損失がなかったのは、消防士の速やかな対応と技能にあると思うといった。さらに、建物に未来があるかどうかの質問に対し、彼女は次のように付け加えた。
「私はすでに美術大学の校長と話しました。スコットランド政府は建物の今後についてはできる限りのことをする準備ができている。それが何を伴うのか、それがどのよう物になるかを言うのは早すぎる。 我々はまだ建物の構造的状況がどのようであるかまだ分かっていません。」

また、グラスゴー建築学会の代表、チャールズ・レニー・マッキントッシュ・ソサエティの代表、美術学校の卒業生たちがそれぞれに悲しみを表明した。
「マッキントッシュ館が別の火災でひどく被害を受けてからわずか4年しかたっていない。また、この火事がが発生したのは特にマッキントッシュの生誕150年を迎え、(建物が)完成に近づいたときである事実を考えれば、言葉を見つけるのは本当に非常に難しい。」「私は消防隊員を気の毒におもっています。だって消防隊員は前回この建物を救うために一生懸命はたらいたのですから。」

ウェブサイトに掲載された声明では、グラスゴー美術学校は次のように述べている。「マックの火災は壊滅的なニュースであるが、グラスゴー美術学校の現時点の焦点は学生たち、そして学生とスタッフの混乱を最小限に抑えるためのGSAの継続的な運営にある。GSAとそのすべての建物は来週いっぱい閉鎖され、情報が入手可能なときに更新情報を提供する」
2018年7月7日(土) 14:00〜 参加者8名
英国王室に対する皮肉な意見の一つとして大変興味深い記事でした。
日本の皇室に対する日本国民の意識と比較して活発な議論が行われました。

1)2018年4月26日付
「なぜチャールス3世は最後の英国王になるほうがよいのか」(後半)
Why Charles III should be the last king of Britain

ケニー・マックアスキル:
訳者注;Kenny MacAskill(1958-)
スコットランド議会議員(1999-2016)
スコットランド法務大臣(2007-2014)

「筆者は君主制の信奉者でもなく、熱烈な共和主義者でもない。しかし、王室の出産や婚礼についての追従的な記事やコメントにはうんざりすさせられる。
私は王室の安寧を願っている。私は強烈な共和主義者である政治家たちの見解を尊重している。政治への関与を避けるのが立憲君主であるということは、私の是認するところだった。公平に見るならば、例外もあったがウインザー家はこのことを巧みにやってきたといえる。私は政府の一員であった年月、王室に対してある種の敬意を育てていた。慈善事業などを支援するイベントのような機会を通して私は彼らの仕事にこれまでよりいっそう感謝の念を抱くようになった。チャールス王子とアン王女との交流は、彼・彼女の支持している慈善事業を考慮すると、とても素晴らしいものだった。私は敬意のために膝を屈したとまでは言えないが、彼らのすべての種類の人々に対する応対能力を称賛するようになった。王室の人々が職責を果たし、様々な分野の人々に接するやり方を、私は尊敬するようになっていった。それは何人かの政治家が習得する立派な技能であるが、王室の人々は芸術の域にまで高めた。おなじように、私は彼らが言ったり行ったりすることの中にある誠実さを疑う理由はない。そして、かなりの仕事の重荷があることを認識した。

もちろん、彼らはそのことに対して大いに償われている。公費による支払だけではなとはしても、長年にわたって獲得された資産によってである。女王とフィリップ殿下の高齢と健康は、施された健康管理と注意の賜物であり、王室の遺伝子のなかにある長寿の情報のためばかりではない。しかし、私に分かってきたことは、彼らが実行していることは単なる法律上の役目だけではなく、彼らが営業しているビジネスであるということだ。君主制は英国憲法の枠内で発展してきたために、彼らはウインザー家会社となっていった。(「国王の公の資産・不動産」法人である)Crown Investments and Estatesは従来からあったものだが、現在では、最近のすっぱ抜き記事が明らかにしたように、その法人は彼らが支配する単なる植民地経営だけではなく海外流動資産にまで発展している。
すべてのビジネスと同様に、特に多くのファミリー・ビジネスでは、管理されるべき業務の領域があり、(成員である)個々人はそれらの領域を引き受けるように躾けられる。チャールスがウェールズと、アン王女がスコットランド親密な関係を築いているのは、彼らはビジネス帝国の歯車としてそのようにするように方向づけられてきたからだ。次の世代が生まれてくるにしたがって、彼らもまた、こうした事に対しての責任を担うことと、様々な慈善事業の世話をすることを指導される。ある点では、このやり方は、数世紀昔に起こったことと変わるところがない。その時は、王子たちも王女たちもそれぞれの公国や領土を担当していた。同様に、過去においては、結婚は戦略的同盟の一部として行われた。その目的は新しい領地の獲得、宗主国と従属国の友情を固めること、王室の血筋を保存するためであった。しばしば、結婚相手はファミリー・帝国に参加するために喜んで自分の信仰を変更した。近年の結婚に愛や情愛が無いと、ここで主張するわけではない、というのは、お互いに惹かれあうものがあったと確信しているからだ。しかし、同時に、結婚相手はこの(王室という)ビジネスに戦略的な財産をもたらしているようにみえる。その財産というものは、かつては良家の王子・王女だったり、戦略的同盟を固めることだったりしたが、現代のメディアの時代ではスター的魅力である。

女王の治世は立派なものであり、加えて、チャールスは継承者に指名され、忍耐強く待機してきた、と私は思う。しかし、その先はノーだ。この時代の流れは、また、新しい政治的・憲法的構造に適合する余地を残している。若いプレーボーイたちと色っぽい妻たちは、21世紀中葉のa democracyが必要とするものではない。大統領職をおくことに対する最も強い反対の一つは、トニー・ブレアが選ばれるかもしれないということだ。でも、アイルランド共和国では3代にわたる優れた大統領によって恩恵を受けている。祝い事はやらせておこう。だが、民主的な未来に備えようではないか。」
2018年6月2日(土) 15:00〜 参加者6名
1)2018年4月1日付
「エディンバラ空港が首都―グラスゴー間のフライトを発表」(後半)
Edinburgh Airport announce flights between capital and Glasgow

(担当者注:4月1日の記事です!そのつもりでお読みください)

スコットランド二大都市エディンバラ―グラスゴーの間に初めての直行便が運航を開始し、移動時間が約25分という現状より速い交通手段が提供される。
1872カップの決定戦が行われるシルバー・サタデーを目前にして、エディンバラ空港のスポークスマンは次のように述べた。
「我々は初フライトでやってくるグラスゴー・ウォリアーズを大歓迎いたします……が、彼らは間違いなく帰りの便では1872カップトロフィーを置くスペースを必要としないでしょう」
エディンバラ・ラグビーとスコットランド代表チームの2回戦のプロップ(最前列左右のフォワード)であり、クリスマス・シーズンの1872カップ定期戦で注目をあびた選手、マレー・マッカラムも次のように語った。「移動時間をたったの25分に短縮できるのは素晴らしい。私たちはグラスゴー・ウォリアーズが来月行われる1872カップ決勝戦を前に初フライトでエディンバラにやって来るのを楽しみにしています。その決勝戦ではヴィジターは悔しい思いをするかもしれませんが、決勝戦はスムーズに進行してくれればと思います。」
注:
The 1872 Cupは毎年スコットランドのプロのラグビーの2クラブ、エディンバラ・ラグビーとグラスゴー・ウォリアーズの間でたたかわれるトーナメント。
BT Cup Finals はエディンバラのBT Murrayfieldであらそわれる7つのラグビーカップ・トーナメント。スコットランドのクラブ・ラグビー・シーズンの見ごたえある最終イベント。The 1872 Cupも7トーナメントの一つ。毎年この時期の土曜日に行われるので、この日はSilver Saturdayと呼ばれる。
2)2018年4月26日付
「なぜチャールス3世は最後の英国王になるほうがよいのか」(前半)
Why Charles III should be the last king of Britain

メール寄稿:ケニー・マックアスキル
(訳者注:Kenny MacAskill スコットランド議会議員(1999-2016)、スコットランド法務大臣(2007-2014)

子どもを授かることは神秘的な瞬間であり、私自身の息子の誕生は私の人生のハイライトである。しかし、王室の出産についておもねた記事や追従的コメントはうんざりするが、きたるべき王室の婚礼のための先駆けにすぎない。ビッグデイが近づくにつれて、そのようなバカ騒ぎはいや増すばかりである。
私自身は君主制の信奉者でもなく、熱烈な共和主義者でもない。率直にいえば、そのような問題は関心がない。しかし私は、強烈な共和主義者である政治家たちがいることを知っており、彼らの見解を尊重している。私はロイヤル・ファミリーのことを、フットボールのチームに夢中になるように、夢中になっている多くの人がいることも承知している。 立憲君主が政治への関与を避けている限り、私は是認していた。公平に見るならば、ウインザー家はこのことをしっかりやってきたといえる。そのうえ、私は政府の一員であった年月、王室に対して不承不承の敬意を育てていた。彼らは、私が抱いた疑問にも答えた。慈善事業や協会を支援するイベントでもしばしば出会った。そのような機会を通しては私に彼らの仕事にこれまでよりいっそう感謝の念を抱くようになった。
2018年5月5日(土) 15:00〜 参加者8名
1)2016年6月27日付
「映画評:ウィスキー・ガロア!」
Film review: Whisky Galore!

2016年に開催された第70回エディンバラ国際フィルム・フェスティバルの最終日の掉尾を飾って上映された、アレクサンダー・マケンドリクス監督の傑作「Whisky Galore」(1949年 日本未公開)のリメイク版が「ウィスキーと二人の花嫁」の邦題で上映されました。
4月のスコッツマンを読む会では2016年6月27日に掲載されたThe Scotsman紙の映画評論家のアリステア・ハークネス(Alistair Harkness)の批評を読みました。「評価は星二つ」とかなり辛辣な批評です。

「ギリー・マッキノン監督のリメイクは、マケンドリクスの傑作を平板でとらえどころがないものにした。眠気を誘うほど退屈で、素晴らしい出演者を台無しにしている。戦時下のウィスキー不足の最中、ヘブリディーズの架空の島トッディで、抜け目ない島民たちが、難破したトロール船からウィスキーの木箱を自分たちのものにしようとする奮闘をめぐって、原作ではその時代を非常に興味深く描いており、単純な郷愁以上にたかめたものである。 リメイクでは前作からある意味で自由にすべきであり、物語に新しい展開を生むようにさせるべきだった。それなのに新作にインスピレーションを与えたもののパロディのようであり、最も有名なシーンの数々を現代の役者達によるコスチュームプレイで再構築したものである。グレゴリー・フィッシャーが演じるヘブリディーズの虚構の島トディの郵便局長マクルーンは、成人した二人の娘が結婚間近で、一人ぼっちになってしまうことをひそかに懸念している。この映画はマクルーンと島民対エディ・イザード演じる厄介なワゲット大尉との攻防を中途半端に描いたことでそうした深い感情を薄めてしまっている。島民がうまい隠し場所にウィスキーをため込まざることを得なかったと場面も旧作の喜劇的な力はなくなってしまっている。機密文書の発見という脇筋も尻切れトンボにおわっている。この映画は全体的に、難破した貨物船と同じように置き去りにされた感じで、奇妙なタイムワープに遭いにっちもさっちもいかなくなったようである。」

2)2018年4月1日付
「エディンバラ空港が首都―グラスゴー間のフライトを発表」(前半)
Edinburgh Airport announce flights between capital and Glasgow

(担当者注:4月1日の記事です!そのつもりでお読みください)

スコットランド二大都市間の初めての直行便が今月下旬にスコットランド最新の航空会社によって運航開始される。エディンバラ―グラスゴー間のその路線はM8rates社によって運航され、頻繁に行き来する人々に二都市間の移動時間が約25分という、現状より速い交通手段の提供となる。
4月28日(土)運航開始の予定であり、その日就航のフライトはエディンバラ・ラグビーチームが「シルバー・サタデー」を目前にしてライバルであるグラスゴー・ウォリアーズを歓迎する場面に出会うだろう。この日には1872カップの決定戦がクラブ・ラグビー・シーズンの見ごたえある最終イベント、BTカップ・ファイナルにくわわることになるだろう。
注:
The 1872 Cupは毎年スコットランドのプロのラグビーの2クラブ、エディンバラ・ラグビーとグラスゴー・ウォリアーズの間でたたかわれるトーナメント。
BT Cup Finals はエディンバラのBT Murrayfieldであらそわれる7つのラグビーカップ・トーナメント。スコットランドのクラブ・ラグビー・シーズンの見ごたえある最終イベント。The 1872 Cupも7トーナメントの一つ。毎年この時期の土曜日に行われるので、この日はSilver Saturdayと呼ばれる。
2018年3月3日(土) 15:00〜 参加者10名
1)2018年2月18日付
Andy Murray agrees to share his luxury mansion with bats
「アンディ・マレーは彼の豪奢な邸宅で蝙蝠と同居することに同意する。」
ウインブルドンで2回にわたってテャンピオンとなったテニス界のエース、アンディ・マレー氏(30歳)はサリー州のレーザーヘッドに新居の建築工事を進めていたが、この家にピピストレルコウモリとウサギコウモリの群体のすみかがあることが明らかになった。マレー氏はあたらしい邸宅でコウモリと同居することに同意し、代理人たちは建築プロジェクトの間に蝙蝠たちを危害から守る方策を見つけざるを得なくなった。

2016年11月におよそ3百万ポンド(4億4千万円)で購入したこの家は、マレー氏が現在妻のキムと二人の娘と住んでいるオックスショートにある家からほんの数マイルのところにある。マレー氏はそれを解体し、その場所に新しい家を建てる計画の建築許可を求めた。が、マレー氏のために実施された生態学的な報告書によると、建物を解体するとコモンピストレル、ソプラノピストレル、ウサギコウモリの昼間の寝床の永久的な喪失と小さな数のソプラノピストレル蝙蝠の夜の寝床の永久的な喪失となるであろう。蝙蝠は英国の法律の下で保護種である。許可なく蝙蝠を殺したり所有したり商うことは法律違反であり、また、いかなる方法であろうとも蝙蝠に危害を与えたり、自生地を荒らすことも違反である。

当初の計画では2階建てで2階には5つのベッドルーム(いずれもバスルーム付き)、1階には図書室と書斎があり、プールとテニスコートを備えている。マレー氏の建築士が当初の計画より縮小された修正計画を提出し許可が下りた。既存の建物のコウモリの寝床の喪失を補うため、現場での新しい建物の屋根裏空間が提供される。その新しい屋根裏空間によって、屋根の南東と南西面に陶管やスレートの設備を通じて蝙蝠がアクセスできるようになるであろう。

2)2018年2月4日付
Watch the moment cheeky stag sneaks into Glenfinnan garden
「厚かましい雄鹿がグレンフィナンの庭に忍び込んだ瞬間をご覧ください」
ダンカン・ギブスンの庭に現れた雄鹿
これはスコットランドのハイランドで野生の雄鹿が小鳥のエサを勝手に食べているところを写真にとらえられた瞬間だ。
赤鹿の雄と思われるがこの鹿は2月2日の9時半ごろグレンフィナンハウス・ホテルの料理長のダンカン・ギブスンによって彼の家の裏庭に写真に写された。
ダンカンの妻はこのように語った。
「私たちはよく鹿が庭にうろついているのを見ましたが、でも普通はこんなに近くではありません。私たちは冬にはいつもしているように小鳥にエサをやっていますが、あの朝見たことは信じられませんでした。ほんとに厚かましい鹿です。」
2018年2月3日(土) 15:00〜 参加者9名
1)2017年12月1日付
Prince Harry tipped to hold stag do in Scotland
「ハリー王子スコットランドで独身最後のパーティーを開く予定」
ハリー王子とメーガン・マークルは今週初めにふたりの婚約を発表した。
ハリー王子はスコットランドで独身最後のパーティーを開くと今現在は予想されている。
ブックメーカーは、王子は遠くの国は避けスコットランドで週末を過ごす選ぶだろう、と予測している。ウィリアムヒル(※1)は、33歳の王子が祝うために親しい友達をスコットランドのどこかに集めることに対するオッズを大幅に切り下げ、25対1からわずか9対1に緩和して、スコットランドを本命としている。
※1【ウィリアムヒル】
創業80年余を誇る英国公認の老舗ブックメーカー。1934年創業。ロンドン証券取引所にも上場されている。
同社がおす次に可能な場所はカナダである。カナダはハリーの婚約者メーガン・マークル(※2)が弁護士ドラマ『SUITS/スーツ』でメインキャストのひとりを演じた数年間、居住し仕事をしていた場所である。若きプリンスによってヴァンクーヴァー選ばれることに対して10対1のオッズを示している。

※2【メーガン・マークル】
米女優。1981年8月、ロサンゼルス生まれ。母親はアフリカ系アメリカ人、父親はオランダ・アイルランド系。因みにハリー王子は1984年9月生まれ。
テレビシリーズ「SUITS/スーツ」では法律事務所の弁護士見習いレイチェル・ゼインRachel Zaneを演じている。
英国の男性最後のパーティーに人気のある都市として、バルセロナ、ベルリン、プラハやアムステルダムが挙げられている。冗談半分の場所として、ラスヴェガスを33対1のオッズで示している。ラスヴェガスは、ハリーが2012年のあるパーティーで一糸まとわぬ姿ではしゃぎまわっている写真が流出して、屈辱を覚えた場所である。
オーストラリアの観光大臣スティーヴン・チョーボーは、オーストラリアでハネムーンと独身最後のパーティーをすることを勧める手紙をハリーに書いた。「オーストラリアは結婚前うってつけのパーティーや結婚後の驚くべきロマティックなハネムーンを提供することができます。」
2)2018年1月3日付
Seven tons of haggis has been exported to Canada since ban lifted
「輸出解禁以降7トンのハギスがカナダへ」
ハギスは今やカナダへ輸出可能に
マクスウィーン社は輸出が解禁されてから後、4万人のカナダ人に食させるに足るほどのハギスを販売してきた。
同社は2017年8月にハギス製品の販売禁止が解除されて以来、7トン分、パックの数にして1万7500個をカナダへ輸出した。
ジェームズ・マクスウィーンは次のように語った。
「これはマクスウィーン社にとって、海外への事業拡大と、ますます競争の激化しつつある市場における指導的地位の維持に向けた、とてつもなく重要な節目です。祖父チャーリーは、エディンバラのブランツフィールドで1953年に肉屋を開業したのでした。彼がはじめた肉屋から、我々がかくも遠くまで到達したことを知ったなら、たいへん誇らしく思うでしょう。」
同社はカナダの規定を満たす新たな製法を開発した後、ハギス製品をカナダで販売しはじめると発表した。カナダは肉用牛のBSE(牛海綿状脳症)感染騒動の後、1996年に欧州産の赤肉を禁止した。この禁止は2015年に解除されたばかりだ。
スコットランド経済長官のキース・ブラウンはこう語った。
「政府としては、マクスウィーン社が事業を成長させるのをずっと支援してきましたし、2018年も引き続きスコットランドの企業を支援し、この急成長中の市場に見出される重要な取引機会を利用できるようにしてまいります。私はこの相互の貿易が2018年に拡大するのを見たいと願ういっぽう、ハギスの米国輸出が近い将来可能になるだろうとの望みを常に持ち続けております」
2018年1月6日(土) 15:00〜 参加者9名
1)2017年11月27日付
Choir raises a laugh with song lamenting community’s problem ferry
「地域の問題のあるフェリーを嘆く歌で、合唱隊は笑いを巻き起こす」

アーガイル&ビュート州にあるキルクレガンとグアロックを12分間で結ぶフェリー「島の王女号」は、ここ何ヶ月もの間技術的な問題で悩まされてきた。
エンジンのトラブルや、正規の乗組員がいなかったためなどで、先月の最近の運航中止は殆ど二週間も続いた。提案された代行バスは半島をぐるっと回るため一時間以上かかると言われている。
うんざりしたフェリー利用者達は、グレイシー・フレアが作詞しケネス・マッケラーが有名にした「クライド湾の歌」のメロディーに託して政府のスコットランド輸送機関やスコットランド乗客輸送車に抗議することにした。「島の女王の歌」を歌うのはキルクレガン地区の合唱団は、毎週コウヴ・バラのホールで集まって練習している。
「我々のキルクレガン・フェリー」の歌
我々のキルクレガン・フェリーはまた故障した。
技術的な欠陥はいつも非難をされる対象だ。
しかしこの壊れない船というの話の裏には、経営が出来なかった経営者たちがいるのだ。

彼等の権力、能力、そして彼らの給料のすべてをもってすれば、それが順調に動くと思うでしょう。
だけどグアロックから高級なサービスがここまで来るだろうか?
偉い人たちはそれはあまりに高価すぎると決論づけていた。

もっと値段の安い契約なら、我々のような人々には役に立つだろう、そしてもしも船が駄目になったら、我々はバスを使うことが出来る。
しかし十分の距離が一時間以上になるのだろうか?
我々は食い物にされるのだろうか、それとも騙されるのだろうか、それとも貧乏になるのだろうか?

こんなにたくさんえらい人がいるのに、仕事がうまくいかなくても、駄目になっても、誰も非難されることはない。リーダシップはあいまいで、避難されることもない。
それとも彼らの仕事のすべてがあいまいなのだろうか?

アーガイル&ビュート地区のようなところでは、何百万人もの相談員がいる。
しかしインヴァークライド地区では、この問題は解決しない。
住民のための相談員は津々浦々にいるが、我々のクライド川地区ではこの問題について解決策はない。

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