◆ホワイトヘザークラブ 活動報告 2018年
2018年12月15日(土) 13:30〜15:30 参加者11名
「Rantin’,rovin’Rovin」暴れん坊のロビン
「12 Days of Christmas」クリスマスの12日

雪の降りそうな寒い日でしたが、協会のHPで興味を持たれて参加された見学の方も含め、多くの方が集まり、事務所は熱気にあふれました。

「Rantin’,rovin’Rovin」は、ロバート・バーンズが19歳の時、自分の誕生を祝って書いたと言われ、ロビンはロバートの愛称、「ロビンは陽気な暴れん坊、様々な試練に遭うが、みんながロビンを誇りに思うでしょう」と歌う、軽快な楽しい歌。スコットランドでは小学校で必ず習い、コーラス部分は子供たちも大好きな歌だそうです。
ただ、コーラス以外の部分は、ネイティブでもなかなか難しいとのこと。また、同じ詩で別のメロデイの曲も試聴しました。
クリスマスも近いので、この日は美味しいお菓子とお茶をいただきながら、ケルトのクリスマスの曲「Taladh Chriosda」(Christ Child Lullaby)を聴き、チャールズさんの子供の頃のクリスマスの様子や、時代によって変わってきた様子や歌を伺いました。スコットランドではMerry Christmasとは言わず、Happy Christmasというそうですよ。

せっかくなので、クリスマスの歌も歌いたいとお願いし、「12 Days of Christmas」を習いました。ドイツではクリスマスは24日がメインになりますが、英国では25日から1月6日までの12日間がクリスマス。日本とは違ってツリーも新年明けても飾られています。
これはつみあげ唄と言い、後からどんどん言葉を継ぎ足していく歌で、「クリスマスの○○日に愛する人が私に贈ってくれた1羽のやまうずら、2羽のキジバト、3羽の……」と12日まで増えていくというもの。小学校の先生が数の勉強に使ったり、またいろんなバージョン、パロディもあり、子供たちはアクションをつけて歌うことも多い、大変盛り上がる楽しい歌でした。

次回は2月後半の予定です。
2018年10月20日(土) 13:30〜15:30 参加者11名
「The Silkie」セルキー
「Mhairi’s Wedding」(Lewis Bridal Song)マーリの結婚式

柔らかな秋の日差しの午後、見学の方を含め11人の参加者とともに以下の2曲を歌いました。

「セルキー」
スコットランドには人間になったアザラシの伝説が沢山あります。地域によっていろいろな言い伝えがあり、アザラシにも良いものも悪いものもいるそうですが、一番知られているのが、アザラシが人間にあこがれ、人間になって人間と恋をして家族を作るが、やがて海に帰りたくなり……というもの。だいたい西部の伝説ではいたずら者で人間のところに遊びに来るだけのセルキーの話が多く、北部では苦しい選択を迫られる悲劇が多く、中にはアザラシとの約束を破った漁師たちが呪いをかけられたり、子供が将来殺されてしまったり……というようにいろいろなバージョンがあり、ハッピーエンドになるものはないとのこと。
今回はまずそういった伝説の説明を受けてから曲を聞きました。ゆっくりとした美しいメロデイですが、父親があざらしで、一度は海に帰ったが子供に会いに来て乳母代を渡そうとし、やがてその乳母の夫になる砲手に自分も子供も撃たれるだろうという予言を残すという、ちょっとドキッとした内容でした。
アザラシの皮は脱いで乾燥すると使えないので湿ったところに保管しなければならないとのお話にみんなびっくり!またスコットランドの海沿いの各地には岩かげなどから頭を出しているアザラシが良くいて、それらをみると思わず「人間になりたがっている」とか「迎えに来ている」と思ってしまうほど、スコットランドではとても身近な存在なのですね!

「マーリの結婚式」
以前にも取り上げて人気の高かった曲。Lewis Bridal SongやStep we gaily、ゲール語ではMairi Bahnとも呼ばれ、1930年代に作られ軽快で楽しいメロディが人気を博し、ダンスとしても踊られています。スコットランドでは小学校で必ず習い、音楽の先生でなくても教えられるとのことで「マーリちゃんの結婚式にみんなで行こう!」と、まさにみんなでワイワイ歌うのに最高の曲でした。

次回は12月の予定です。皆様ふるってご参加くださいませ。
2018年8月25日(土) 13:30〜15:30 参加者10名
「The Lea rig」
「My luve is like a red,red rose」

ホワイトヘザークラブは、この5年あまりで60曲ほどの歌を歌ってきましたが、最近は今までに習った歌でご希望の多かった曲を再度取り上げています。この日はロバート・バーンズの歌2曲を習いました。

「The Lea Rig」バーンズは、古い歌を収集し、気に入ったものをメモしていて、それを数年後に使ったりしていましたが、この曲もそのうちの一つ、1792年ごろ出版されています。lea rigの意味が今では分かりにくいのですが、corn rig やbarley rigというように、昔は土地を植える作物によって分けていたそうで、その後土地の持ち方が変わったため、今では名前だけ残っているとのこと。lea rigは未耕地(休耕地ではなく)、使っていない共有部分、でも草ぼうぼうではなく、ある程度手入れしてある自由なスペースのことで、デートスポットでもあったとか!
「仕事が終わったら、あの未耕地で会いましょう!愛しい人よ。」と歌うとても優しくゆったりとした曲です。

「My luve is like a red,red rose」は、バーンズの一番有名な曲といえるかもしれません。1794年に作られた、「すべての海が涸れるまで…」「岩が太陽に溶けるまで…」と永遠の愛を歌った大変甘くロマンティックな歌です。ボブ・ディランを始め、いろいろな芸術家に影響を与えたとのこと。チャールズ先生は小学校で習ったそうですが、男の子たちは照れくさくて、「red,red,nose」と歌っていたそうです!

どちらも音域が広く、歌うのはなかなか難しかったのですが、本当に心にしみる美しい曲でした。
次回は10月の予定。スコティッシュデイでもご披露できるような曲を選曲する予定ですので、皆様ふるってご参加くださいませ。
2018年6月16日(土) 13:30〜15:30 参加者13名
「Johnnie Cope」ジョニ・コープ
「Auld Lang Syne」オールド・ラング・サイン

梅雨に入り、曇り空の土曜日に久しぶりの開催となりましたが、見学の方も含め13名の方が集まりました。

「ジョニ・コープ」は、1745年のプレストンパンズの戦いでプリンス・チャーリー率いるハイランド軍がイングランド軍に勝利したのを記念し、すでにあったメロディに、近くに住んでいた農夫が言葉をつけたといわれているそうです。この戦いはコープ将軍率いるイングランドの兵隊たちがハイランドの荒れ地に慣れていないこともあり、15分以内に逃げ帰ったと伝えられ、将軍は臆病者の象徴のように歌われていますが、実際はその敗北を本部に報告するために退却したということであり、歌詞は所々史実とは違い、将軍を茶化すような内容になっています。
テンポが速く、言葉がたくさん入っているので、歌うのはとても難しく、スコットランド人もメロディはみんな知っていますが、コーラス部分だけ元気よく歌うとのこと。YouTubeでいくつか演奏を視聴したのですが、The Corriesの定番のメロディと、昔はもっとポピュラーだったというPlanxty のメロディは全然違っていてびっくり!またベートヴェンが編曲したものもあり、大変芸術的な香りのする歌曲になっていました!

「オールド・ラング・サイン」言わずもがなの「蛍の光」ですが、実は5番まであり、詩はバーンズ、でも自身が書いた部分とおじさんから聞いて書いた部分が混じっているそうではっきりしたことは不明とのこと。
メロディは当時流行っていたものにつけたと言われていますが、別の旋律もあります。この曲は今では全世界で歌われていますが、元はスコットランド人が移民として渡ったカナダで、1930年代のラジオ放送の金曜日の最後にいつも流されていたものが北米に伝わり、大みそか、新年を迎える時に歌われるようになり、それがスコットランドに逆輸入されて、スコットランドでも現在大みそかに演奏されるようになったという経緯があるそうです。協会のイベントでも必ず最後に輪になって歌っていますが、実は2番は「お酒」が出てくるため、宗教的なこともあり省略されて歌われることが多いとのこと。また手をつないでテンポが上がり、輪の中心に前進するのは、本来は5番の歌詞に合わせて手をつなぐ、との会員からの情報もあり、大変勉強になった会でした。
2018年3月24日(土) 15:30〜17:30 参加者12名
「Loch Lomond」ローモンド湖
「Sky Boat Song」スカイ・ボート・ソング

ホワイトヘザークラブも5年が経過し、習った曲もすでに60曲近くに上ります。
メロディを良く知っている曲でも意外な内容だったり、とても明るい旋律なのに暗い歴史が盛り込まれた曲だったり、毎回いろいろな発見があります。この歌の会をきっかけに協会の会員になられた方も多く、毎回楽しく歌っています。
これからは、今までに習った曲の中からご希望の多かった曲も再度取り上げていきます。

今回は第1回目で取りあげた「Loch Lomond」「Sky Boat Song」。
日本でもメロディは良く知られていて、スコットランドではどちらも小学校で必ず習う歌だそうです。

「ローモンド湖」は、スコットランド西南部に位置する大きな湖。メロディも歌詞も作者不詳、曲もいろいろなアレンジがあります。歌詞の内容は1745年のジャコバイトの反乱の時の別れの歌と言われていて、チャールズ先生のお話では、サビの部分O ye’ll tak(you’ll take) the high road an’ I’ll tak the lowの解釈は一般的には、「生き残ったものが高い道を行き、死者の魂は低い道を行く」ですが、その別れにも恋人説、兄弟説、親友説といろいろあるそうです。

「Sky Boat Song」これもジャコバイトの反乱に関係する歌で、1746年カローデンの戦いで政府軍に敗れたプリンス・チャーリーが島々を逃避行、フローラ・マクドナルドに助けられて召使に女装してスカイ島に逃れたという出来事に基づいて、19世紀後半、後にレディ・キャンベルとなる女性がスカイ島を旅行している時にボートを漕いでいる人が歌っていた歌に詩をつけたと言われているそうです。子供たちも覚えやすい歌で、ハーモニーをつけて、ボートに乗っているようにからだをゆすりながら歌ったものだとチャールズ先生が懐かしそうに話してくださいました。

みんなで歌った後は、持ち寄りの親睦会、ちょうど桜も見ごろで、まるでお花見のような楽しい宴になりました。
次回は5月の予定、新しい方も大歓迎です!
2018年1月27日(土) 13:30〜15:30 参加者13名
「Annie Laurie」アンニ―・ローリー
「Jock 0’Hazeldean」ヘイゼルディーンのジョック
「Jolly Beggerman」呑気な乞食

ホワイトヘザークラブは毎年恒例のスコティッシュデイで、習った歌をご披露しています。
今年は「Jock 0’Hazeldean」「Annie Laurie」を歌うことに決め、今日はまずその練習から。
簡単に単語の意味や発音をおさらいした後早速歌ってみましたが、事前に復習用の映像をお知らせしていたので、皆様きちんと復習してくださったようで、それほど苦労なく歌えたように思います。当日も楽しく歌いましょう!

新曲の「Jolly Beggerman」は、実は「Gaberlunzie King」というスコットランドの歌のアイリッシュバージョンです。スコットランド版は言葉がとても難しいとのことで、今日はこちらで習いました。Gaberlunzieというのはお布施をもらう権利を持つ人で、そういう職業ともいえるのですが、お布施をもらってその人のために王様にお祈りをする人のこと。僧ではないけれど日本の托鉢に近いでしょうか?15世紀のジェームズ5世の実話に基づいていて、彼は市民になりすまして街を巡り、誰がお布施を断るか、誰が不正をしているか……など街の噂などを聞いて回り偵察していたそうです。いわばスコットランド版水戸黄門ですね!アイリッシュ版ではタイトルがBeggerman(乞食)になっていて、宿を求めた乞食を泊めてあげた娘は、「本当は乞食ではなくて、大物なんでしょう!」と信じ、多少の野心を持って身を任せてしまうけれど、彼は彼女のたくらみに気づき、「そんな偉いものじゃないよ」と否定、娘は怒るというストーリー。
本物の情報を得るために、建前では女遊びもしつつ……という背景を知ると、この詩の意味もぐっと分かりやすくなります。

今回は第30回、記念すべき会で13名もの方が参加し、熱気あふれる会になりました。
今までに習った曲も60曲近くにもなります。でもたまたま参加出来なかったり、もう一度歌いたいという要望もあり、また新しく入られた方は習っていない曲も多く、時間切れで中途半端になってしまった曲もあります。
それで皆様に今までの曲目リストをお渡しして、もう一度やりたい曲のアンケートを取ることにいたしました。ご希望の多かったものから再度取り上げていきたいと思いますので、ご意見などお寄せくださいませ。

次回は3月後半の予定。会は一話完結ですので、新しい方も大歓迎です!

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