◆ホワイトヘザークラブ 活動報告 2019年
2019年12月14日(土) 13:30〜15:30 参加者13名
「Taladh Chriosta」 タラ クリスタ
「Silent night」 きよしこの夜
「Away in a manger」 かいばのおけで
「Angels we have heard on high」 荒野の果てに
「God rest you merry,Gentleman」 世の人忘るな
「Deck the Halls」 ひいらぎかざろう

クリスマスも近いので、今回はスコットランドのクリスマスの歌をはじめ、イギリスで良く歌われているクリスマスの曲を沢山習いました。

スコットランドに特別のクリスマスソングはないそうですが、唯一ヘブリデーズ諸島の島々のクリスマスイブの真夜中のミサで歌われていたものが「タラ クリスタ」(The Christ Child’s Lullaby)。
これは19世紀にバラ島に赴任していた神父が離任するときに作ったと伝えられ、もとはキリストの誕生を祝う29のゲール語のバースから出来ています。you tubeでいろいろ聞いても歌手たちは、都合の良いようにいろいろな組み合わせで歌っているようで定番がなかなかないとのことでした。大変素朴ながら胸に沁みるメロディが美しく、最後に繰り返される‘アレルヤ’もとても印象的でした。

イギリスではヴィクトリア時代からクリスマスキャロルが歌われるようになり、全土に広がってスコットランドでも歌われるようになったそうで、「きよしこの夜」「かいばのおけで」「荒野の果てに」は小学校で必ず習う歌。有名な「きよしこの夜」はドイツ語の英語訳、「かいばのおけで」は、参考映像がイギリスで歌われているメロディとアメリカで歌われているメロディが合体したアレンジになっていたので、その両方を歌ってみました。

「荒野の果てに」は、最後のラテン語の‘グロリア’の歌詞を子供たちが良くふざけて音を延ばすので先生が苦労されていた!とチャールズ先生が懐かしそうに話されていました。

「世の人忘れな」と「ひいらぎかざろう」は学校で習う歌ではないそうですが、どちらも良く知られたクリスマスキャロル。キリスト教にはもはや関係なく、後者はウェールズの古いメロディにスコットランド人が英語の歌詞をつけたもの。ちなみにmerryは、パーティなどで少しアルコールの入った楽しい気分を表わすイメージが強いので教会にふさわしくないとのことで、スコットランドではMerry を使わずHappy Christmas というそうです。

どれも良く耳にするクリスマスの歌でしたが、歌詞や背景を伺ってみると、とても新鮮でした。
今日は見学の方も含め、多くの方が集まり、後半はクリスマスのお菓子をいただきながら楽しい茶話会にもなりました。いろいろ持ってきてくださった皆様、ありがとうございました!
次回は2月の予定です。
2019年10月19日(土) 13:00〜15:00 参加者8名
「Black is the Colour of My True Love’s Hair」 私の恋人の髪の色は黒です
「A Man’s a Man For All That (Is there for honest poverty)」 何と言っても人は人

1曲目の「私の恋人の髪の色は黒です」はもともとスコットランドのラヴソングでしたが、いつのまにかイギリス本土では消えてアメリカへ伝わり、アパラチア山脈周辺地域でブルーグラスなどの歌手によって歌われて人気となり、それがまたスコットランドに逆輸入されたそうです。60年代にジョーン・バエズによって歌われたものが特に知られていて今ではアイリッシュのケルティック・ウーマンらのレパートリーにもなっています。
例によって歌手により様々なバージョンがあり、バエズは最初の歌詞Blackを3回繰り返すことが特徴で、男性が歌うときは、his lips が her lipsというように代名詞や形容詞も変わるし、メロディも歌手によってずいぶん違います。言葉は現代の英語ですが、音符に対して言葉が少なくてどのシラブルで伸ばすのかが難しかったです。
でも大変せつなく恋人との別れを歌う美しい歌でした。

2曲目の「何と言っても人は人」は、バーンズが亡くなる1年ほど前に書かれた曲で、彼の代表曲でもあります。
とても博愛的な歌詞なので、Flower of Scotlandなどとともに国歌の候補となっています。「どんなに貧しくても勲章などなくても、正直で良識あることが真の価値、何とっても人は人なのだ」と崇高なメッセージが歌われ、スコットランドでは中学校で習うので、内容は勿論みんな知っていますが、見慣れないスコッツ語が多く、現代のスコットランド人も歌うのはなかなか難しいとのこと。バーンズサパーなどで行なわれるハギスのセレモニーでは、バグパイプの演奏するこの曲に先導されてハギスが入場します。
2019年8月10日(土) 13:30〜15:30 参加者10名
「Twa Corbies」 二羽の烏
「Flow Gently,Sweet Afton」 静かに流れ、優しいアフトン川よ

チャールズ先生が日本に来て面白いと思ったことの一つが、「日本では真夏に怖い話を聞いて涼しくなる」という習慣があったこと。それで猛暑の続くこの日にぴったりの、ちょっと背筋の凍る怖い曲を、ということで選んでくださったのが「二羽の烏」です。
「ある人が歩いていて二羽の烏の会話を聞いた。今日はどこで何を食べようか?あそこの堤防の後ろに美しい奥さんに殺害された騎士がいるよ。奥さんには新しい相手がいるから、俺たちは美味しく食事が出来る。その青い目を突っついて……その金髪で巣を修繕しよう……」となんとも恐ろしい内容の歌でした。
1640年位には印刷されているので、もっと前から歌われていたと思われ、イングランドにも似たようなストーリーの歌があるとのこと。スコットランドではとても良く知られていてフォークシンガーによって歌い継がれ、最後の「その白い骸骨の上に永遠に風が吹く」のあとはみんなでフーフーというのがお約束だとか。旋律はとても美しく単純なのですが、見慣れないスコッツ語が多く、言葉がなかなか入らなくて一同大苦戦!

2曲目は対照的に甘く優しい「アフトン川」。バーンズが亡くなる4,5年前に書かれた詩で、「川のほとりに住むメアリーの眠りをさまたげないように、アフトン川よ、どうか優しく流れておくれ」と切々と歌う、美しい歌です。
つけられている旋律は実は3種類も見つかり、それぞれ試聴してみました。今日はその中でも一番スタンダードなバージョンをみんなで歌いました。単語もわかりやすくメロディもとても美しく歌いやすいので、みんな簡単に歌えました。

珍しく時間に余裕があったので、難しかった1曲目に再挑戦。
苦労しましたが、旋律がいつまでも耳に残り、とても印象的な歌でした。

次回は10月の予定です。皆様のご参加お待ちしています♪
2019年6月29日(土) 13:30〜15:30 参加者12名
「Ae Fond Kiss」 優しいキスを一つ
「Barbara Allen」 バーバラ・アレン

「Ae Fond Kiss」は、バーンズが書いた中でも良く知られた愛の歌。彼は、ご主人と別居中のある女性にプラトニックな恋をしていたが、彼女は結局ご主人の赴任地ジャマイカに戻ってしまうことになり、その別れの際に書いて渡したとも言われている。学校でも習う歌で、スコットランド人ならみんなが知っている曲ではあるが、詩的な表現や方言も多く、ネイティブにもなかなか難しいとのこと。内容は想う人との別れを歌った曲だが、当時スコットランドから船出した人たちとのお別れの時や、また亡くなった時などにも歌われていたそうです。

「バーバラ・アレン」この曲は、17世紀に書かれた日記にも歌ったことが記されていたりして、おそらく英語の曲で一番多く記録されていると思われる。様々なヴァージョンがあり、それがカナダやアメリカに渡り、カントリーウェスタンの歌手らに歌われ、むしろ本国より知られているかもしれない。バーバラ・アレンに恋するあまり、病床に伏す若者が彼女を呼ぶが、彼女はまさか死ぬとは思わずに、「もうすぐあなたは死ぬでしょう」と言ってしまう。彼は本当に亡くなってしまい、悲しみのあまり彼女も死んで古い教会の墓地の彼の隣に埋葬される。彼の墓からは赤いバラが咲き、彼女の墓からは棘が伸びてからまり、恋人の結び目を作ったという大筋のストーリーに、歌手によっていろいろヴァージョンがあり、今でもパーテイなどで良く歌われるとのこと。
ジョーン・バエズやアート・ガーファンクルの他、ドリス・デイの歌った軽快なジャズのヴァージョンも聞き、また50年代の映画「クリスマス・キャロル」でも歌われているのがとても印象的でした。

次回は8月の予定。みなさま是非ご参加ください♪
2019年4月27日(土) 13:30〜15:30 参加者10名
「Flower of Scotland」 スコットランドの精華
「I once loved a lass」 片想いしていた

「スコットランドの精華」は、非公式ながらスコットランドの国歌としてラグビーやサッカーの試合では必ず歌われるのできっと耳にしたことがある方も多いでしょう。その歴史は意外に新しく1967年にThe CorriesのWilliamsonが作曲して発表、とても有名になり、スポーツの試合の時に歌われるようになりました。
このFlowerは単に花ではなく、その時に戦った英雄たち、若者たちを表わしているそうです。「あの傲慢なエドワード王に立ち向かって本国に送り返したように、再び誇り高い国になりましょう!」と歌い、試合の時などは「That’s who? 」とか「Against who?」と合いの手が入ります。日本人の私たちでも歌っていると何だか元気が出る曲です。今年はラグビーのワールドカップが日本で行われるので、その時にはきっと歌われるはず!楽しみに、合いの手を入れたいね!と盛り上がりました。

「片想いしていた」は会員の方のハープの教本に載っていた曲で、「片想いしていた娘が、別の男と、それも割と近い関係の男と結婚してしまい、絶望し、私の墓を用意してくれ」と歌う内容です。途中彼女がいなければ存在できない、ありえないということで、「塩辛い海でイチゴが育つか?何隻の船が森を航海するか?」という歌詞があるのが面白かったです。スコットランドのフォークシンガーの父と言われるEwan McCollの歌は早くて軽快な歌い方、The Corriesの方はソフトでロマンティックな歌い方、その2種を聞きましたが、私たちは詩の内容から後者を選択し、ゆったりしっとりと歌いました。

10連休初日だったにも関わらず10人もの人が集まり、また今日はある会員が一度ちゃんと歌ってみたかったという「Flower of Scotland」を習うということで、お知り合いの方に特別に頼んで作っていただいたというスコットランドの旗を模したクッキーとスコーンをお持ちくださって、ちょっとしたティーパーティになりました!
クッキーには歓声が上がり、スコーンもウィスキー入りのジャムと合わせていただき、とても美味しくて感激でした。今日参加出来た方はとってもラッキーでした!!
2019年2月23日(土) 13:30〜15:30 参加者11名
「The Wild Rover」自由気ままの流れ者
「Bluebells of Scotland」スコットランドの釣鐘水仙

「The Wild Rover」は、スコットランドだけでなく、アイルランドも、またオーストラリアの人たちも自分たちの国の歌だと主張するほど大変ポピュラーで、「自由気ままに放蕩を繰り返していた息子が故郷に帰ってきて、もう絶対に流れ者にはならないぞ!これから実家に帰ってこのバカ息子を許してもらおう!」と意気軒昂に歌う内容。
最初にアイルランドのバンド「The Dubliners 」そしてスコットランドのバンド「The Corries」で試聴しましたが、いろいろなバージョンがありサビの部分はみんな歌えるので、特にコンサートでは客席を分けたり、あるいは男女で分けたり、お客様も巻き込んで盛り上がるそうで、バーやパーティ、またボーイスカウトのキャンプ、家族が集まっても歌い、上手な人はハモリをつけたり、手拍子をつけたり、またサッカーチームなども歌詞を変えて試合中に歌ったりもするそうです。

「Bluebells of Scotland」は戦いに行っている恋人の無事を祈りながら健気に待っている女性の歌。
これも大変よく知られた歌で、古い民謡ですが、ハイドンが編曲したり、1800年頃イングランドの女優ドロシア・ジョーダンが劇場で歌い、戦時にはマーチ風に歌詞を変えて演奏されたり、トランペットやトロンボーン用の変奏曲があったり、また明治時代には日本にも入ってきて、「うつくしき」という題で小学唱歌集にも載っています。メンバーの中には昔学校で習ったとか、歌声喫茶で歌ったという方もいて、その時の歌詞はこうだった、ああだったとひときわ盛り上がりました。

次回は4月後半の予定です。

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