◆スコットランドを語る会 活動報告 2020年◆
【第101回】 2020年1月22日(水)18:00〜 参加者21名
発表者:三村美智子さん 國田あつ子さん
テーマ:「スコットランドの旅(2019年9月1日〜11日)」

ロンドンのヒースロー空港を避けてオランダ経由としたのは、よかったです。混雑を避けられました。オランダからエディンバラまでは1時間25分、エディンバラ空港に着いたのは午後4時45分というまだトラム(市電)から外が見える気持のいい時間で、20分もすればエディンバラ市内のニュー・タウンのプリンシーズ・ストリート沿いにあるホテル前に到着。ここで一泊して、次のハイランドに向かいました。
ハイランド、Tomnaverie Stone Circleで旅の一行
スコットランド内の交通機関は、費用節約のため、35人乗りのコーチ(英国ではコーチとバスを呼びます、昔は大型四輪馬車で、今は長距離バスをいう)、船、またコーチ、列車、と飛行機はありません。協会の旅では今までになかった状況で、いい経験でもありました。オークニーからの帰り、スコットランドを本土の端からエディンバラまで6,7時間の列車の旅は、皆さまに初の体験でした。駅名は英語とゲール語があったり、それぞれの趣があったり、興味深いものがありました。
クレイギヴァ城
Craigievar Castleの塔の上から眺めたハイランドの眺望
リンダ&ピーター邸でハワットファミリーが開いてくれた歓迎パーティー
リンダさん達のお誘いで地元の人々の音楽セッションを楽しむ
ハイランドでは、古い屋敷に小塔を加えて17世紀のスコットランド建築としたLinda & Peter Cunningham夫妻の家(Balmuir)に11人が宿泊、近くの典型的なゲスト・ハウスに4人が宿泊。観光地バラターや王室の家族が夏を過ごす「バルモラル城」の近くでした。ロンドンからRussell Howatさん、グラスゴウから Carole Howatさんが会いにきて, 賑やかで楽しい夕食にご招待いただき、わたくしたちは、昼間は王室が良くいく教会を見学、ロッホナガール(Lochnagar)蒸留所、クレイギヴァ城(Craigievar Castle)など訪問し、二泊目の夜は地元のパブで毎週火曜日にあるミュージック・セッションに行くチャンスがありました。地元の素晴らしい音楽家たちでした。フィドルの華麗な曲、ギター、お手製の楽器、それにパイパーの吹く音のすごさよ。とっても楽しい夕べでした。
ストロムネスの町、海岸沿いに広がる
次の日は、コーチに乗り、林や丘を埋めている綺麗な紫のヘザーの花をそこら中にみながら、嵐のような天候からたちまち太陽をみたりするなか、ポーランド人の運転手が、日本に行きたい、サムライ大好きなどとつぶやくのを聴きました。7時間ほどで北の本土のはずれまで行き、そこで運転手と別れ、オークニーのストロムネスの港を目指す船に一行は乗り込みました。1時間半ほどで港に着くと夜の8時を過ぎていました。陸に上がる桟橋のはずれに、写真で見ていた人の姿が!それは、出迎えてくださったオークニーの作家Tom Muirさんと夫人でした!感激です。オークニーの民話集を読みいつも行くことを夢みていたところでした。15年経ってようやく会えましたね!と言われました。
スタンディング・ストーンズ・オブ・ステンネス
次の日からの2日間を、トム・ミュアさんが特別のガイドとなって地元の運転手の小型バスに乗り込み、新石器時代の遺跡めぐりや、スタンディング・ストーンズ・オブ・ステンネス(英国の歴史、文化はこの地から始まったことを教えられ)や嵐の風で突如現れた古代の住居あと、首都カークウオールにある大聖堂、美しくバランスのとれた首都カークウオールの通りなどを歩きました。
「小人の石室」の立て札のそばに立つトム・ミュアさん
約70もある島々で、この島だけが絶壁を持つというホイ島にも行きました。妖精の話が生まれた谷間を見下ろすところには、「小人の石室」の立て札があり、それはミュアさんの本に登場しています。ホイ島を北の端から南の端まで小さなバスで走り回り、海の美しさ、夕日だったら荘厳そのものだという浜辺にたたずみ、その島に渡ってきた作曲家が魅力的な曲をいくつも作った話などミュアさんが語りました。最後の夜にはホテルにミュア夫妻と画家のブライス・ウイルスンさんをご招待した夕べを持ち、次の日に、エディンバラを目指しました。オークニーに住むのはいいだろうなと思いました。

時間の関係で、「語る会」ではここまでです。残るエディンバラの三日間、いくつか出会いと再会がありました。ニューズレター『スコットランド便り』102号にも旅の報告があります。ご希望の方にはお送りします。送付先をお知らせください。
(文:三村美智子 写真:國田あつ子)
V&A Dundee(隈研吾さんの設計)
ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館の分館として一昨年オープン

Home
Copyright 2002 The Japan-Scotland Society All right reserved ©