◆会員のみなさまへ、お知らせ◆
2019年、JSSの旅ではスコットランド本土から北東約16キロに位置するオークニー諸島を訪れました。
オークニー諸島はスコットランドの北にある島ですが、豊かな自然はもとより、遺跡文化、最先端の波力発電など様々な魅力のある地域です。 私達は旅の中で、その島に住み日本とオークニー諸島の交流活動を行っているNPO・OJA (Orkney Japan Association) のジョンストン・由香さんと出会い、日本スコットランド協会の機関誌「スコットランド便り」にオークニーの今を報せていただくことになりました。
その記事をウェブサイトにも掲載させて頂きます。
Orkney Now no.1
オークニー諸島は、約70の島から成り、うち16島が居住島です。一番大きな島はメインランドと呼ばれ、島の東には空港や庁舎の有るカークウォール、西には古い町並みが残るストロムネスという二つの大きな街があります。英国本土から離れた遠隔地にも関わらず、Halifax Quality of Life Surveyという生活水準調査2019にて『英国内で最も住みやすい 街』1位を獲得しました。
スコットランドは、2020年を美しい海岸と水(海))を讃え感謝する年として、YCW2020(Year of Coasts and Waters)に指定しています。
オークニー諸島には、地球の歴史を感じさせる雄大な岸壁や美しい白い砂浜が続く海岸などが幾つもあり観光名所となっています。この記事を書いている2月の海岸は、薄暗い空と冷たく激しい雨風の中、大きな波が岸壁に砕ける荒々しい表情を見せる事が多いのですが、それはそれで大自然の力強さや哀愁の漂う美しさを楽しむ事ができます。
オークニーの天候は10月から4月までの間は強い風と共に雨や雹や雪が降ったり止んだりする日が多くなりますが、メキシコ湾海流の影響で雪深くなる事はありません。一年を通して寒暖の差があまり無い事でも知られています。
この厳しい天候はオークニーの電力発電にも欠かせない要素です。オークニーの電力は再生可能エネルギーのみでほぼ100%賄われており、発電の余剰分はスコットランド本土に送電されています。陸上風力発電はその発電量の多くを担っていますが、強い風から生まれる高い波を利用する波力発電機や潮の流れを利用する潮流発電機といった海洋再生可能エネルギーの試験機が発電する電力も島の電力として使用されています。約20年前から海洋再生可能エネルギーの研究開発はこの島の新しい産業となり、雇用創出により若者や研究者の 移住など多くの社会的経済効果をもたらし、島に新しい息を吹き込んでいます。
3月になると日は長くなり、クロッカスや水仙な どの春を告げる花々が咲き始めます。次号をおたのしみに。
(OJA/ジョンストン・由香)
穏やかな日の海岸と悪天候時の荒々しい海岸。どちらも大自然の迫力を感じます。
●波の力を利用する波力発電機
●潮の流れを利用する潮流発電機
Wello Oy社のペンギンという発電機
Orbital Martine Power社のSR2000という発電機

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