◆ホワイトヘザークラブ 活動報告 2021年
2021年12月19日(日) 13:30〜15:30 参加者8名
「Taladh Chriosta(The Christ Child’s Lullaby」タラ クリスタ
「Auld Lang Syne(original tune)」オールド・ラング・サイン

少し間があいてしまいましたが、久しぶりに新しい参加者も含め、8人がリモートで集いました。

「タラ クリスタ」 
ヘブリデーズ諸島の島々でクリスマスイヴに歌われていた曲で、19世紀にバラ島に赴任していた神父が次の任地オーストラリアに行くため島を離れるときにみんなのために残した曲と言われています。当時オーストラリアに行くということは、もう2度と会えない、これが最後の別れと言うことでした。
オリジナルは30くらいのヴァースからなり、クリスマスの頃寒い暗い教会で歌われていたということですが、各ヴァースの後にアレルヤと言う歌詞でメロデイを繰り返すので、一種のwaulking song(スコットランドで布などを広げてリズミカルにたたきながらゲール語で歌う伝統的なフォークソング)だったのではないかと言うことです。
時代によって消えて行ったり、また復活したりする曲がありますが、この曲もチャールズ先生がスコットランドにいらしたときにはご存知なくて、20世紀になって発見され、英語になってレコ―ディングされて、歌われるようになったのだろうとのことでした。

「オールド・ラング・サイン」オリジナルヴァージョン
ご存知バーンズが書いた「蛍の光」の旋律は2種類あります。
今日はもう一つの、実はこちらがオリジナルと言う曲を習いました。もともとバーンズがお爺さんが歌っていたのを聞いて採譜したのはこちらのメロデイだと言われています。バーンズが歌集に収録するときに、出版社の意向もあり、より大衆に広めるのには少し変えた方が良いということで、そちらが現在世界中で歌われている「蛍の光」のメロデイのようですが、こちらもとてもしっとりとして、素敵な曲でした。

次回もリモートで行なう予定です。
2021年8月15日(日) 13:30〜15:30 参加者6名
「The Northern Lights of Old Aberdeen」古きアバディーンの北極光(オーロラ)
「Flower of Scotland」スコットランドの精華

コロナと猛暑と豪雨の続く大変な夏になりましたが、久しぶりに8人が画面上に集い、楽しく歌いました。

「古きアバディーンの北極光」
1950年代後半イングランド生まれのピアニストの女性メリー・ウェブが、病院で働いていた時に、アバディーン出身の同僚がホームシックになっていたので、その女性を励まそうと作詞作曲した曲。
彼女自身はアバディーンに行ったことがなかったけれど、美しくて歌いやすいメロディが大変な人気を呼び、スコットランドでは、アバディーンに行ったことのない人もみんなが知っていてとても懐かしく感じられる曲だそうで、クリスマスやニューイヤーパーティなどでは必ず歌われ、もちろんラグビーやサッカーの試合の時にも競技場で必ず歌われる応援歌になっています。
チャールズ先生が子供の頃は、大人はこの歌が大好きで、みんなレコードを持っていたそうですが、チャールズさんたちはちょっとダサい、ビートルズの方がずっとかっこいいい!と思っていらしたとか!
定番のアレキサンダー兄弟の映像や競技場でみんながアバディーンのチームを応援しながら歌う映像を見てから、みんなで歌いました。モダンな英語なので難しい言葉はなく、音域も狭いので大変歌いやすく、私たちも何だか懐かしい気持ちが湧いてくる素敵な曲でした。みんなで気持ちを一つにして歌えるホームタウンの曲があるのは素晴らしいと思います。
ちなみにアバディーンなどスコットランドの北東部では、寒い冬の乾燥した雲のない夜には美しいオーロラが見えることがあるとのこと、ネットで検索するといろんな写真を見ることが出来ます。

「スコットランドの精華」
非公式ながら第2の国歌のようにサッカーやラグビーの大会では必ず歌われる曲。
2年前のラグビーのワールドカップの時にも取り上げ、歌っていると日本人である私たちもなんとなく血が騒ぎ元気が出る曲です。「あのエドワード王を退散させたように、再び立ち上がろう」と言う内容の大変勇ましい曲で、スコットランドとイングランドの昔からの対立や悲しい歴史の話も少しうかがい、ここへきてまたEUから離脱したイングランドに対して、残留希望の多かったスコットランドの今後の動きも気になるところです。

次回もリモートで行なう予定です。
2021年3月28日(日) 13:30〜15:30 参加者6名
「Tibby Dunbar」ティッビー・ダンバー
「The Road to the Isles」島々への道

東京も緊急事態宣言が解除されましたが、感染者数は再び増えつつあり、まだまだ予断を許さない状況の中、今回もリモートで行なわれました。年度末だったためか、参加者は少なかったのですが、質疑応答の時間もたっぷりとれて濃密な時間を過ごしました。

1曲目の「Tibby Dunbar」は、身分の高い裕福なティッビーに恋をした男が駆け落ちをしようと、「お金はないが、僕の愛情を暖炉にして眠れば幸せだよ!」と懸命に誘う内容。
多くのフォークソングを愛する人たちは、この曲はアイルランドの曲だと思っているそうですが、詩はバーンズの1789年の作品で、エアシャーに住むフィドルの人との合作と言われています。簡単そうに見えますが、実は音域がとても広く歌うのは大変で、録音も少なく、ダブリナーズのものが有名で今回もそれを試聴しました。
ちなみにティッビーとはエリザベスの愛称だそうですが、チャールズ先生はこの曲でしか聞いたことがないとのことでした。

2曲目の「The Road to the Isles」は、スコットランドの地名が沢山出てくる元気の良い曲です。
イギリス軍のパイプメジャーがマーチとして作り1917年に発表、あとに歌詞がついて第2次世界大戦の時には兵士を鼓舞するため侵略時などに使われたそうですが、懐かしい地名に逆にスコットランド兵などはホームシックになってしまったかも!
Coolins, Tummel, Loch Rannoch, Lochaber, Shiel, Skerries など多くの地名がスコットランド特有のリズム、スコッチスナップを効かせたメロデイにのり、歌は覚えやすいのですが、実は文章はとても詩的で、文法的な語順も違い、解釈がなかなか難しく、スコットランド人でも旋律はみんな知っているけれど歌える人は少ないだろうとのこと。参考に聞いたHarry Lauder の録音は約100年前のもの、「ど」スコッツで大変味のある歌唱でした。

次回もリモートで、5月の予定です。
ご興味のある方は協会にご連絡くださいませ。
2021年1月30日(土) 13:30〜15:30 参加者9名
「Scotland the Brave」勇敢なるスコットランド
「The Wee Cooper o‘Fife」ファイフの樽屋さん

依然続くコロナ禍の中、少し間があいてしまいましたが、楽しみにしていた会員が画面の中で元気に顔を合わせました。

今回の曲は、スコットランドと言えばこの曲「Scotland the Brave」!
スコットランドを象徴する曲としてあまりに有名で、バグパイプで演奏されるのを聴いたことがある方も多いことでしょう!もともとパイプチューンとして旋律は存在していて、軍隊のパイプバンドでも行進曲として正式に採用されたメロデイでした。それにスコットランドのジャーナリスト、クリフ・ハンリィが歌詞をつけたのが、なんと1950年代ということで、意外に新しい曲と言うことになります。
60、70年代にはかなり人気になり、ラグビーやサッカーの試合でも歌われるようになり、「Flower of Scotland」などと並んで、非公式の国歌のような扱いを受けています。
でも、チャールズ先生は今まで一度も声に出して歌ったことはなく、多くのスコットランド人は歌詞を知らないのではないか、パーティなどでも歌わないなあと意外なお話で一同びっくりしました。
歌詞は現代英語なので難しいものもなく、ハイランドの山々や大地を讃え、誇り高き民族の心を勇壮に歌い上げるリズムとメロディは、何だかコロナ禍で沈んだ私たちにも沢山の元気をくれました!

2曲目の「ファイフの樽屋さん」は、4年前にも一度取り上げた曲で、メロディは簡単なのですが、とにかく速い曲で歌詞がなかなかはまらず苦労した曲です。
旋律、歌詞共に大変古いもので、昔は小学校でも習い、「ニキティナケティヌーヌー」と呪文のような歌詞を子供たちも楽しく歌ったそうですが、なにしろ歌詞が、自分より身分の高い女性と結婚した樽屋さんが、美貌を台無しにすると言って料理も洗濯も何も家事をしない彼女の背中にシープスキンをかぶせて、「お前のことは叩かないが、自分のシープスキンのことは叩くぞ!」と思いきり叩いて彼女を改心させる、という内容なので、現代ならDV、暴力、と言うことで絶対に歌われない曲とのこと。
とにかく速いので、テンポをずっと落として、ワンフレーズづつ発音、呪文のような早口言葉のところは何回も練習し、難しいところは音をつけずお経のようにリズムだけ練習したりして、苦労しつつも何とか最後までみんなで歌いました。

久しぶりに顔を見ながら、歌うのはやはり楽しいものですね!
次回は3月、やはりリモートで行う予定です。

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